01結論早見表:6つの軸でどちらが向いているか
どちらもメール・カレンダー・ファイル共有・ビデオ会議・オフィスアプリが揃った業務スイートで、「これがないと仕事にならない」レベルの欠落はどちらにもありません。差が出るのは次の6点です。
| 比較軸 | Google Workspace | Microsoft 365 |
|---|---|---|
| 料金(入門プラン) | 月800円/人(据え置き) | 月1,049円/人(2026年7月に値上げ) |
| オフィスアプリ | ブラウザ完結。Office形式も互換編集可 | Word・Excelのデスクトップ版が本家 |
| メール | Gmail | Outlook(Exchange Online) |
| 共同編集 | 同時編集・リンク共有が最も滑らか | 可能だがデスクトップ版中心だと衝突しがち |
| AI | Geminiが全プラン標準 | Copilot Chatは標準、フル機能CopilotはCopilot同梱の上位バンドル(追加料金) |
| 管理のしやすさ | 管理コンソールがシンプル。専任がいなくても回る | 細かく制御できる分、設定項目が多い |
以下、この6軸のうち判断を左右する順に掘り下げます。まずは多くの会社が最初に見る料金からです。
02料金比較【2026年7月・Microsoft 365は価格改定後】
Microsoft 365は2026年7月1日に法人向けプランの価格改定を実施し、Business BasicとBusiness Standardが値上げされました(AI・セキュリティ機能の拡充が理由とされています。Business Premiumは据え置き)。一方Google Workspaceの価格は据え置きのため、入門プラン同士・中間プラン同士の価格差は従来より開いています。以下はいずれもMicrosoft公式サイト掲載の現行価格で、年契約・1ユーザーあたり月額(税抜)です。
| プラン帯 | Google Workspace | Microsoft 365 | 差額/月 |
|---|---|---|---|
| 入門 | Business Starter 800円 | Business Basic 1,049円 | 249円 |
| 中間(主力) | Business Standard 1,600円 | Business Standard 2,098円 | 498円 |
| 中間・AI込みで比較 | Business Standard 1,600円(Gemini標準搭載) | Standard+Copilot Business同梱版 3,523円 | 1,923円 |
| 上位 | Business Plus 2,500円 | Business Premium 3,298円 | 798円 |
中間プラン同士で比べると20名の会社で年間約12万円、WordやExcelでフルにAIを使う前提(Copilot同梱版)で比べると同じ20名で年間約46万円の差になります。なおMicrosoftの価格表ページでは、現在StandardとPremiumはCopilot Business同梱版(3,523円・4,797円)が標準の表示になっており、Copilotなしの基本プラン(2,098円・3,298円)は各プランの個別製品ページに掲載されています。月契約は年契約より単価が上がる点(例: Basicは月契約1,101円)にも注意してください。また後述のとおり、入門プランのストレージはMicrosoft 365のほうが大容量(1TB対30GB)なので、単純な価格比較だけで決めるのは早計です。価格は今後も変動するため、契約前に必ず最新の公式価格を確認してください。
Google Workspaceは代理店経由でさらに割引
当社経由でのお申し込みなら、上記の標準価格から基本一律5%・条件により最大9.5%OFFになります。詳細は料金表ページをご覧ください。
03実務で分かれ目になる5つの違い
機能一覧を並べての比較は結論が出ません。プラン選定の相談を受けてきた経験上、実際に決め手になるのは次の5点です。
① Excel・Wordの「資産」がどれだけあるか
マクロ(VBA)入りのExcel、複雑な関数を組んだ管理表、取引先と往復するWord書式が業務の根幹にあるなら、Microsoft 365を選ぶべきです。Google Workspaceでも Office形式ファイルの閲覧・編集はできますが、マクロは動かず、複雑なレイアウトは崩れることがあります。逆に「見積書と議事録が作れれば十分」という会社なら、この軸は決め手になりません。
② メールをOutlookのまま使い続けたいか
長年Outlookで仕事をしてきたメンバーが多い会社では、GmailのUIへの移行自体が抵抗になることがあります。技術的にはOutlookアプリからGmailを読み書きすることも可能ですが、検索やラベルなどGmailの強みは薄れます。メール文化を変えたくないならMicrosoft 365、メールの検索性・迷惑メールフィルタの精度を取るならGmailという分かれ方です。
③ 安いプランで比べるとストレージは正反対
Microsoft 365はBusiness Basic(入門プラン)から1人1TBのOneDriveが付きます。対してGoogle WorkspaceのBusiness Starterは30GBで、動画や設計データを扱う会社にはまず足りません。「安いプランで大容量ストレージが欲しい」ならMicrosoft 365が有利です。Google Workspaceで容量が必要な場合はBusiness Standard(1人2TBのプール制)以上を選ぶことになります。
④ 共同編集とブラウザ完結はGoogleの土俵
1つの資料を複数人で同時に編集し、リンク1本で社内外に共有し、PCでもスマホでも同じように開く——この働き方はGoogle Workspaceの原点で、今でも体験の滑らかさは一枚上です。リモートワーク・多拠点・外部パートナーとの協業が多い会社ほど、この差が日々効いてきます。インストール不要でブラウザだけで完結するため、端末管理の負担が軽いのも利点です。
⑤ AIは「標準搭載の範囲」が違う
Google WorkspaceはGeminiが全プランに組み込み済みで、追加費用なしでメール作成支援や文書要約が使えます。Microsoft 365も2026年の改定でCopilot Chatが標準になりましたが、WordやExcelの中で本格的に使うCopilotは「Copilot同梱プラン」という別ラインの契約で、Business Standardの場合は年契約2,098円が3,523円になります。「まず追加費用なしで全員にAIを配りたい」ならGoogle Workspaceのほうが始めやすい構図です。
04会社のタイプ別・おすすめ判定
| 会社のタイプ | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 経理・製造などExcelマクロが業務の根幹 | Microsoft 365 | VBA・複雑な表計算はデスクトップ版Excelでしか動かない |
| 取引先とOffice書式の往復が多い | Microsoft 365 | レイアウト崩れの確認コストがなくなる |
| 創業期・IT専任担当がいない | Google Workspace | 管理がシンプルで、月800円から独自ドメインの仕事環境が揃う |
| リモートワーク・多拠点・外部協業が多い | Google Workspace | 同時編集とリンク共有の滑らかさが日々効く |
| 全社のWindows端末を細かく管理したい | Microsoft 365(Premium) | Intuneによる端末管理・高度なセキュリティ制御が揃う |
| コストを抑えて全員にAIを配りたい | Google Workspace | Geminiが全プラン標準。追加費用が発生しない |
当社はGoogle Workspaceの代理店ですが、上の表で「Microsoft 365」に当てはまる会社に無理にGoogle Workspaceを勧めることはありません。合わないスイートを入れると、移行コストより現場の生産性低下のほうが高くつくからです。迷う場合は、現在の業務ファイルとメール運用を見せていただければどちらが合うか判断できます。
05移行・併用を考えている場合
Microsoft 365からGoogle Workspaceへの移行
メール・カレンダー・連絡先・OneDriveのファイルには公式の移行ツールがあり、業務メールを止めずに切り替えることが可能です。実務上のポイントは移行作業そのものより、Excel資産の棚卸し(そのまま移せるもの/デスクトップ版Excelを残すもの)と、社員向けの操作案内を先に済ませておくことです。
「全社Google Workspace+一部だけOffice」という現実解
経理だけがマクロ入りExcelを使う——そういう会社で全員分のMicrosoft 365を契約するのは過剰です。全社はGoogle Workspaceで揃え、必要な数名だけ買い切り版Officeや単体ライセンスを持つ構成なら、共同編集の利点とExcel資産の両方を守れます。逆に、Google WorkspaceとMicrosoft 365を全社で二重契約するのはコストも管理も無駄が大きく、おすすめしません。
06まとめ
- 機能の優劣ではなく「業務の中心がどこにあるか」で選ぶ
- Excelマクロ・Outlook文化・Windows端末管理が根幹ならMicrosoft 365
- 共同編集・ブラウザ完結・管理のシンプルさ・AI標準搭載ならGoogle Workspace
- 2026年7月の改定でMicrosoft 365は値上げ。中間プラン同士で月498円/人の差
- 入門プランのストレージはMicrosoft 365が1TBで有利。Google Workspaceは30GB
- 迷ったら「全社Google Workspace+必要な人だけOffice単体」の併用も選択肢
Google Workspaceを選ぶ場合の代理店割引・導入支援の内容はGoogle Workspace サービスページにまとめています。「自社はどちらが合うか」の見立て相談だけでも歓迎です。
07よくある質問
Q. Google WorkspaceでExcelファイルは編集できますか?
できます。Googleドライブ上でOffice形式(.xlsx / .docx / .pptx)のまま編集する互換機能があり、日常的な表や文書なら問題ありません。ただしマクロ(VBA)は動作せず、複雑なレイアウトや一部の関数は崩れることがあります。マクロが業務の根幹にある場合はデスクトップ版Excelを残す構成を推奨します。
Q. 2026年7月の価格改定で、料金差はどのくらいになりましたか?
年契約・税抜の月額で、入門プラン同士(Starter 800円 対 Basic 1,049円)で249円/人、中間プラン同士(Standard 1,600円 対 Standard 2,098円)で498円/人、Google Workspaceが安い状態です。ただしMicrosoft 365は入門プランから1人1TBのストレージが付くため、容量要件によっては差額以上の価値があります。
Q. OutlookのままGoogle Workspaceを使うことはできますか?
IMAP設定によりOutlookアプリでGmailのメールを送受信することは可能です。ただしラベル・検索・迷惑メールフィルタなどGmail側の強みが活きにくくなるため、移行するならGmailのUIに揃えることを推奨しています。移行期の暫定運用としては現実的な選択肢です。
Q. Microsoft 365からの移行はどのくらいの期間がかかりますか?
10名前後の組織で、準備からメール・カレンダー・ファイルの移行完了まで1〜2週間が目安です。MXレコードの切り替えを適切に行えば業務メールを止めずに移行できます。Excel資産が多い場合は、事前の棚卸しに追加で時間を見ておくと安全です。
この記事を書いたチーム
合同会社TokyoScaler ビジネス開発部
Google Cloud Partner(Google Workspace正規代理店)として、中小企業・スタートアップのIT環境整備・DX・AI導入を支援するメンバーが、現場の知見をもとに執筆しています。