TokyoScaler
ブログ一覧へ戻る
AI活用

AI開発の内製と外注|工程で分けて、引き取れる形で発注する

内製にするか外注にするかで止まっているなら、問いの立て方を変えたほうが早く決まります。決めるのは「どちらか」ではなく、企画・データ・作る・評価・運用のどれを自社に置くかです。全部を自社で抱える必要も、全部を外注する必要もありません。

外注する工程には、もう1つ決めておくことがあります。後から自社へ引き取れる形で発注するかどうかです。何も言わずに発注すると、引き取ろうとした日に、必要なものが手元に残っていないことがあります。自社に置くと決めた工程に人がいない場合も、採用から入るのではなく、工程を絞ってから考えます。

情報システムの専任担当がいない会社で、本業を持ちながらAIの検討も引き受けている方に向けて書いています。受託でAIの仕組みを作り、エンジニアの常駐も引き受ける側からまとめました。

01決めるのは、どの工程をどこに置くか

AIの仕組みができあがるまでには、性質の違う工程が5つあります。これをまとめて1つの案件として考えるので、内製か外注かの二択になります。工程ごとに置き場所を決めていけば、自社に残すところと外注するところを順に選べます。結果として、内製と外注は混ざります。

工程自社に置く条件外注しやすい条件引き取りやすさ
企画どの業務のどこを変えたいかを、自社の言葉で言える何ができるかの見当が付かない段階で、決め方の設計だけを頼む外注しても取り戻しやすい
データ元のデータが社内にあり、正解を付けられる人がいる整える量が多く、期間で区切りたい整えたあとのデータを受け取れば残る
作る触れる人がいて、その人の本業が別にない作る人がいない。速さが要る受け取り方を決めておかないと残らない
評価合格かどうかを判断するのが自社の業務側測り方の設計だけを頼むまるごと預けると、引き取った日に前と同じ条件で比べにくい
運用外れた出力に気づける人が業務側にいる夜間や休日も動かす必要がある記録の形が決まっていれば移せる
先に決める動かし続ける
1企画
どの業務のどこを変えるかを決める
2データ
集める、整える、正解を付ける
3作る
モデルと仕組みを組む
4評価
合格ラインを決めて測る
先に決めること評価用データは誰が作るか測る手順を誰が持つか同じ手順で測り直せるか
5運用
動かし続ける。外れたら直す
まとめて外注すると、データ・作る・評価の成果物が相手の環境にだけ残りやすい
  • 決めたことが下りる
  • 結果と記録が返る
5つの工程と、外注したときに何が手元に残るか工程は上から順に決まり、結果と記録は下から返る。どこを外注するかで、手元に残るものが変わる

どこから決めればよいか分からないときは、企画と評価を先に自社側へ寄せてください。このどちらも、業務を知っていないと決められません。データと作るところは、量と速さで外注の判断がしやすい工程です。

02「ハイブリッド」で止めると何も決まらない

内製と外注を扱った記事でよく見るのは、「二択で考えず、組み合わせるのが現実的だ」という結論です。そこまではそのとおりです。ただ、それで終わると、来週やることが決まりません。

止まる理由は、決める単位が案件になっているからです。案件を丸ごと内製にするか外注にするかを考えると、どちらにも当てはまる項目と、どちらにも当てはまらない項目が同時に出てきます。それで決着しません。工程まで割ると、どちらに置くかは1つずつ決められます

「やるかやらないか」ではなく「どこに置くか」で分けるのには、もう1つ理由があります。やるかやらないかで整理すると、自社に置けないという結論が「いまのままでよい」に読めてしまうためです。外注するのは置き場所を決めたということで、決めなくてよいという意味ではありません。外注する工程についても、受け取るものを決める作業は自社に残ります。

03工程ごとの置き場所

企画と評価は、自社に残す

どの業務のどこを変えたいか、そして何をもって合格とするかは、その業務を毎日やっている側にしか決められません。ここを外注すると、出てきた提案が正しいかどうかを判断する材料が自社側に無くなります。詳しくなくても、決めるのは自社です。決め方の設計だけを外注し、最後の判断は手元に残します。そうしておけば、出てきた提案が妥当かどうかを社内で見られます。

データは、量と正解の付け方で分かれる

集めるところと整えるところは、量が読めれば外注しやすい工程です。分かれ目になるのは、正解を付ける作業です。この書類はこう読むのが正しい、という基準そのものに業務の知識が要るので、社外の人だけでは決められません。よく取られるのは、正解の付け方を自社が決めて、付ける手を社外から借りる形です。この形にするなら、正解の基準を書いた資料を自社側に残しておいてください。付ける手を入れ替えても、同じ基準で続けられます。

作るところは、直し続ける人がいるかで決まる

作れるかどうかではありません。作った後に直し続ける人が社内にいるかどうかです。ここは業務システムを自社で作るときと同じです。触れる人が1人しかいなくて、その人の本業が別にあるなら、作る工程は外注したほうが後が楽になります。ただし、直すのが年に数回で済む規模なら、外注の保守費が作る費用を追い越していくこともあります。外注に寄せる前に、直す頻度と、1回あたりにかかる時間を見積もってみてください。

運用は、外れた出力に最初に気づくのが誰かで決まる

動かし続ける作業そのものは外注できます。夜間や休日も止められない仕組みなら、外注したほうが続けやすくなります。分かれ目になるのは、出てきた結果がおかしいと最初に気づくのが誰かです。毎日その業務をやっている人でなければ気づけないなら、気づく役だけは自社に残ります。記録の形が決まっていれば、あとから運用ごと自社へ移すこともできます。

一般のシステム開発では、上流ほど自社に残っている

AI開発の工程別に内製と外部委託を分けた統計は見当たりませんが、システム開発全体なら調査があります。日本情報システム・ユーザー協会が、工程ごとに内製と外部委託の度合いを尋ねています。2025年9月から10月にかけて、東証上場企業とそれに準じる企業4,500社に依頼し、957社が回答したものです。各工程について、「ほぼ内製」から「ほぼ外部委託」までの5択で答える形式です。そのため下の数字は、工数や金額の比率ではなく、そう答えた企業の割合です。IT部門長が答えている調査でもあるので、割合そのものが自社に当てはまるわけではありません。

工程内製が主(ほぼ内製+内製が多い)回答数
システム企画(システム化構想策定)70.9%886社
機能要件定義46.1%884社
非機能要件定義37.6%871社
設計・実装・テスト18.5%(外部委託側が63.4%)884社
システム運用・保守42.4%(外部委託側が38.3%)903社

出典は企業IT動向調査報告書 2026で、2026年3月に発行されたものです。報告書の本文に数字として載っているのは70.9%、46.1%と、設計・実装・テストの63.4%の3つで、残りは図表7-2-3の内訳を合算した値です。工程の区切り方はAI開発向けではないので、そのまま当てはめることはできません。読み取れるのは、上流ほど自社に残り、設計・実装・テストは外部委託に回っている、という傾向のほうです。運用・保守は内製と外部委託が拮抗していて、この並びからは外れます。AIの場合はここに評価という工程が加わります。

04外注する分を、引き取れる形で頼む

後から自社に寄せるつもりがあるなら、発注のときに受け取るものを決めておいてください。動いている仕組みを渡してもらっても、それだけでは引き取れません。次の7つのうち、何が納品物に入るかで、引き取ったあとにできることが変わります。

受け取るもの何に使うか決めていないとどうなるか
学習用データセット、または整えたあとのデータ作り直しと追加学習の出発点になる相手の環境にだけ残り、同じものを作り直すところから始まる
学習用のプログラム、または構築のコード同じものをもう一度組み立てられる納品の対象に入らないことがある
動いているもの本体そのまま動かし続ける渡さずに利用の許諾だけ、という形もある
評価用のデータと測る手順変えたときに、前と比べる引き取った日から、前と同じ条件で良くなったかを比べにくくなる
指示文と設定値挙動を再現する。直すときの起点になるコードの外に置かれていて、渡す対象として意識されない
環境を組み立てる手順別のところで動かす作った人の頭にだけあり、聞ける相手がいなくなる
うまくいかなかった記録同じところで詰まらない納品物に残らず、同じところでもう一度詰まる

見落とされるのは、動いているもの本体の扱いです。渡す形と、渡さずに使わせる形の両方があり、後者でも契約としては成り立ちます。経済産業省が公表しているAI開発向けのモデル契約書も、許諾だけという選び方を想定しています。ただし許諾だけにする場合は、同じ解説に2つの条件が付いています。利用条件を契約の別のところで定めること、そして成果物の引き渡しと確認を定めた条項を、成果物が存在しない前提で書き直すことです。引用では、1つ目にあたる部分を省いています。

ベンダがユーザに、学習済みモデルを本件成果物として提供せず、その利用のみを許諾することも考えられる(中略)その場合には、本件成果物が存在しないことになるので、本条における本件成果物を前提とした記載を修正する必要がある
経済産業省「AI・データの利用に関する契約ガイドライン - AI編 -」(2018年6月)2026年8月確認

同じ資料に付いているモデル契約書の別紙には、成果物の明細を書く欄があります。学習用データセット、学習用プログラム、学習済みモデルの3つについて、納品するかどうかと、納品の形態(データなら形式、プログラムならソースコードかバイナリコードか)を○で選ぶ様式です。解説のほうには、学習済みモデルを成果物として渡す形と、渡さずに利用の許諾だけにする形の両方が挙がっています。どちらもあり得るから、○を付けて決めることになっています。残りの4つは、この別紙にも出てきません。評価用のデータと測る手順、指示文と設定値、環境を組み立てる手順、うまくいかなかった記録です。発注のときに自分で足す項目になります。

05引き取れる形を頼むと、見積もりに何が乗るか

作る側から書きます。引き渡しを前提にすると、見積もりが上がることがあります。作業が2つ増えるためです。もともと標準の納品物に入れている会社なら、変わらないこともあります。

  • 他人が読める形に整える作業 — 手元で動けばよいものと、渡して動かしてもらうものでは、書く量も確かめる量も変わります
  • 引き渡しの期間と、渡したあとの問い合わせに答える作業 — 期間と回数を決めておかないと、見積もりの外側に置かれます

大事なのは、上がる分がいくらかより、いつ言うかです。発注のときに言えば、見積もりの中で一緒に見てもらえます。作り終わってから言うと、整える作業を後から積むことになります。そのときの相手の空き状況しだいで、金額も期間も動きます。高くつきやすいのは、後から言った場合のほうです。

全部を受け取る必要もありません。作る工程を当面ずっと外注する前提でも、評価用のデータと測る手順だけは受け取ってください。これがあれば、相手を変えるときも同じ物差しで比べられます。逆にここが無いと、同じ物差しを作り直すところから始まり、乗り換えの判断が重くなります。

06外注した工程を引き取ったあと、最初に止まるもの

受け取るものを揃えても、引き取った直後にはつまずきます。止まりやすいのは3つです。

  1. 01測り直しが動かない — 測る手順が、相手の環境の前提で書かれている。自社の環境で走らせるところで止まる
  2. 02使っているモデルが変わる — 提供元の入れ替えや値上げが来たときに、追従の判断と測り直しが同時に要る
  3. 03外れた出力への対応が滞る — 誰が気づいて誰が直すかを、外注していた期間は相手が担っていた

測り直しが動かないのを避けるには、引き取る前に一度、通しで走らせておくのが早いです。本体を成果物として受け取る形なら、自社の環境に置いて走らせます。利用の許諾だけの形なら、相手の環境で同じ手順を実行してもらい、手順書と結果を受け取ります。どちらの場合も、相手がまだ答えられるうちに動かして、止まるところを潰しておきます。引き渡しの期間を1か月ほど見ておくと、この作業に充てられます。

モデルが変わる話は、AIを使う仕組みに特有の負担です。単価の改定だけでなく、何を数えるかの単位そのものが変わることもあります。運用に乗ってからの費用の見方はAI PoCの本番化にまとめました。

外れた出力への対応は、引き取る前に決めておくところです。外れた出力に最初に気づくのは業務側なので、誰が見て誰に上げるかを、引き渡しの期間のうちに一度通しておいてください。引き渡しが終わった日から、その役は自社に移ります。

07人を置かないまま工程を自社へ寄せると、どうなるか

工程を自社に置くと決めても、置く人がいなければ止まります。ここで採用から入ると時間がかかるので、順番を逆にしてください。工程を絞ってから、その工程に必要な人を考えます。

人の確保について、公的な調査に数字があります。情報処理推進機構の「DX動向2026」は、DXを推進する人材の量を尋ねています。「やや不足している」と「大幅に不足している」の合計は85.5%でした。調査期間は2026年4月17日から6月12日で、10,000社に配って1,799社から有効回答を得たものです。ただしこの設問に答えたのは、DXに取り組んでいると回答した企業だけです。国内の企業全体を表した割合ではありません。従業員の規模でも差があります。報告書によると、不足していると答えた割合は、301人以上で9割を超え、100人以下では6割を超える水準です。情報システムの専任担当がいない会社なら、85.5%より低いところで見ておくほうが実態に近いはずです。

あわせて見ておきたいのが推移です。「大幅に不足している」は2023年度62.1%、2024年度58.5%、2025年度50.1%と下がってきました。ただし毎年の調査なので、年度ごとに答えた企業は入れ替わります。同じ会社を追いかけた数字ではありません。報告書自身も、やや解消傾向にあるとしています。そのうえで、慢性的な人材不足の状況に大きな変化は見られない、とまとめています。

数値はDX動向2026の本文の図表4-1と図表4-2から取っています。調査期間は、同じ調査のデータ集の調査概要から取りました(2026年8月確認)。

「AIエンジニアの平均年収」という統計は存在しない

採用の相場を調べると、公的な統計として609.8万円という数字に行き当たります。厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)にあるAIエンジニアのページに、2026年8月時点で載っています。ただしこれは、いま就いている人に支払われた賃金の平均です。令和7年賃金構造基本統計調査を加工した数字です。採用のときに提示する額ではありません。求人側の数字は同じページに別に載っていて、ハローワークの求人賃金は月額32.7万円(令和7年度)です。

そのページ自身にも断りがあります。AIエンジニアが属する職業分類に対応する統計であって、必ずしもその職業だけを表したものではない、と書かれています。対応する分類は、厚生労働省編職業分類の「その他の情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発を除く)」などです。賃金構造基本統計調査の職種一覧に、AIエンジニアという区分はありません。予算を組む目安には使えます。ただしこの分類にはAI以外の情報処理技術者が広く入るので、実際の相場には幅があると見ておくほうが無難です。

数値は厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)のAIエンジニアのページから取りました(2026年8月確認)。

現実的なのは、工程を絞って始めることです。企画と評価だけを自社に置くなら、必要なのはAIを作れる人ではなく、業務を分かっていて、測った結果を読める人です。この条件なら、いまいる人の中から探せる場合があります。作る工程まで自社に寄せるかどうかは、その次に考えて間に合います。

08発注のときに、そのまま送れる確認文

見積もりを依頼するときに、この文面を足しておくと、後から積み増しになりにくくなります。断られたり、金額が大きく上がったりした場合も、その反応自体が判断の材料になります。

見積もり依頼に足す、引き渡しについての確認文
将来的に一部の工程を自社側に移す可能性があります。
そのため、次の点を見積もりの前提に含めていただけますでしょうか。

1. 納品物に含めていただきたいもの
   - 整えたあとのデータ(形式もあわせてご提示ください)
   - 構築のコード一式
   - 評価用のデータと測る手順
   - 指示文と設定値
   - 環境を組み立てる手順
   - うまくいかなかった記録(試して合わなかった条件と、その結果)

2. 本体の扱い
   - 成果物として引き渡していただく形を希望します
   - 利用の許諾のみを想定されている場合は、その理由と
     利用条件をご教示ください。あわせて、成果物の引き渡しを
     前提としている条項をどう変えるかもお示しください

3. 引き渡しの期間
   - 引き渡しを終える前に、測り直しを通しで実行する期間として
     1か月ほど設けたいと考えています
   - 成果物として引き渡していただく場合は、この期間の開始時点で
     本体と、1に挙げた評価用のデータと測る手順、環境を組み立てる
     手順をお渡しいただけますでしょうか
   - 利用の許諾のみの場合は、同じ期間内に貴社の環境で同じ手順を
     実行のうえ、手順書と結果をお渡しいただけますでしょうか
   - その期間のご対応が見積もりに含まれるかをご教示ください
   - 引き渡しが終わったあとの問い合わせについて、対応いただける
     期間と回数、その分の費用をご提示ください

4. 納品物の扱い
   - 納品いただいたものを、当社で改変してよいかをご教示ください
   - 保守や改修を別の会社に依頼する場合の可否もあわせてご教示ください

5. 上記を含めた場合と、含めない場合で
   金額と期間がどれだけ変わるかを分けてご提示ください

5番目を入れておくと、比べられる形になります。含めた金額だけを出してもらうと、その差が引き渡しのためのものなのか、もともとの見積もりの幅なのかが分かりません。

外注先に生成AIを使わせるかどうかの取り決めは外注先の生成AI利用に、業務システムを自社で作る場合の線引きは業務システムの内製化にまとめています。後者は、勤怠や請求のような業務システムを誰が直し続けるかが主題です。改変してよいか、別の会社に頼んでよいかという権利の決め方はシステムの引き継ぎで詳しく扱っています。受け取るものが揃っていても、ここが決まっていないと引き取れません。

09まとめ

  • 決めるのは内製か外注かではなく、企画・データ・作る・評価・運用のどれを自社に置くか
  • 先に自社へ寄せるのは企画と評価。この2つは業務を知らないと決められない
  • 外注する工程は、後から引き取れる形で納品してもらうかどうかを発注のときに決める
  • 受け取るものは7つ。整えたあとのデータ、構築のコード、動いているもの本体、評価用のデータと測る手順、指示文と設定値、環境を組み立てる手順、うまくいかなかった記録
  • 動いているものは、渡さずに利用の許諾だけという形もある。納品物として書いておかないと、渡らないことがある
  • 引き渡しを前提にすると見積もりが上がることがある。上がる分より、発注のときに言うか後から言うかで差が出る
  • 全部を受け取れないなら、評価用のデータと測る手順だけは受け取る。相手を変えるときの物差しになる
  • 人は採用してから工程を決めるのではなく、工程を絞ってから考える

当社は、AIを使った業務の仕組みを受託で開発し、エンジニアの常駐も提供しています。工程をどこで割るかの整理だけでも構いません。いまの発注先にそのまま送れる確認事項をまとめてお返しすることもできます。必要でしたらお問い合わせからお声がけください。

10よくある質問

Q. 工程ごとに判断すると、内製と外注が混ざって管理が大変になりませんか

混ざること自体は避けられません。負担になるのは、境目にある受け渡しが決まっていないときです。工程を割るときに、次の工程へ何を渡すかを1行ずつ書いておいてください。データなら形式と件数、評価なら測る手順と合格の水準です。ここが書いてあれば、担当が変わっても引き継げます。逆に、全部を1社にまとめても、この受け渡しが書かれていなければ中で同じ問題が起きます。

Q. 外注したものを、いつ引き取るのが良いですか

期間ではなく、状態で決めるほうが外れにくいです。目安になるのは、測り方が固まったときです。何をどう測れば良し悪しが分かるかが決まっていれば、作る作業を自社に移しても判断ができます。逆に、測り方が定まっていない段階で引き取ると、直したのに良くなったかどうかが分からない状態になります。引き取る前に、測り直しを通しで一度走らせてみてください。本体を成果物として受け取る形なら、自社の環境で走らせます。利用の許諾だけの形なら、相手の環境で同じ手順を実行してもらい、手順書と結果を受け取ります。そこが通れば、移す目安になります。

Q. 特定の会社から動かせなくなるのが心配です。何を確認すればよいですか

受け取るものの一覧と、権利の書き方を並べて見てください。納品の対象に入っているかを見るのは3つです。整えたあとのデータ、構築のコード、評価用のデータと測る手順です。この3つがあれば、動かすところまでは自社でできます。ただし、動かせることと、直してよいことは別です。納品物を自社で改変してよいか、保守や改修を別の会社に頼んでよいかを、契約のどこかに書いてもらってください。そのうえで2つ聞いてください。動いているもの本体を引き渡すのか利用の許諾だけなのか、そして環境を組み立てる手順が文書になっているかです。乗り換えのときの作業量は、後者で読めるようになります。

Q. 社内にAIに詳しい人がいなくても、自社へ寄せられますか

寄せる工程しだいです。企画と評価であれば、必要なのはAIの知識より業務の知識と、測った結果を読む力です。この2つを自社に置いておくだけでも、外注した工程の良し悪しを判断できるようになります。作る工程まで寄せるには、作れる人に加えて、その人がいなくなったときに引き継げる状態が要ります。触れる人が1人しかいなくて、その人の本業が別にあるうちは、作る工程は外注したままでも困りません。

TokyoScaler

この記事を書いたチーム

合同会社TokyoScaler ビジネス開発部

Google Cloud Partner(Google Workspace正規代理店)として、中小企業・スタートアップのIT環境整備・DX・AI導入を支援するメンバーが、現場の知見をもとに執筆しています。

Contact — 初回相談無料

この記事の内容、
自社ではどう進める?

「まだ何を頼むか決まっていない」段階のご相談を歓迎しています。現状を伺って、自社でできること・外部に任せたほうがよいことを切り分けるところからお手伝いします。